旅行留学
2018年06月24日

お部屋探しの留意点とトラブル事例

今回は、海外生活での基盤となる『 “住居” に関する落とし穴 』のお届けです。これからご紹介するのは、ハンガリーでの賃貸物件トラブル事例です。アパートに問題があると、心身ともにとても負担が大きくなってしまいます… 。

では、住宅に関する揉め事を未然に防ぐために、どんなことに気を付けておけばよいのでしょうか。ここでは、弊社が相談を受けたトラブルを例に、留意ポイントをまとめています。

9 月からの新学期に合わせて物件探し、契約をされる学生の皆さま、関係者の方は、特に、ご一読ください。


トラブルを未然に防ぐ最重要点

日本でも家を借りるときには、必ず契約書には目を通します。契約書に注意を払うのは普通のことだと思われるかもしれません。しかし、ハンガリーでお部屋を借りた後、この契約書不備を巡ってよくトラブルが起こるのです。

馴染みのない言語の国で、物件を探すのは至難の業。日本語が通じる不動産会社を探そうにもなかなか見つからないのが現状です。

第一安全策は、ハンガリーで知名度が高い不動産会社を通して、物件を探すこと。大手不動産会社 ( DUNA HOUSE、Otthon Centrum、TECNOCASA 等 ) を通すメリットは、英語が通じるだけではなく、外国人に物件を貸すことに慣れているという点です。

また、不動産会社には、専属の弁護士がいます。そのため、賃主と借主との間で起こるリスクは軽減されるのです。

しかし、仲介業者をはさむと費用がかさみます。個人で部屋を貸している方を探すこともあるでしょう。確かに、初期費用は下がります。ですが、その後に発生する出費が高くなる可能性があるということを心得てください。

仲介業者を通さない場合、適切な通訳者や不動産事情に精通した第三者を契約時に立ち会わせることは非常に大切です。ハンガリーで賃貸契約を結ぶ際は、通常、本人以外に証人 ( 第三者 ) の署名蘭もあります。これが設けられていないケースは、要注意。

大袈裟なと感じられる方がいらっしゃるかもしれませんね。では、実際の相談内容を取り上げていきます。( トラブルの大半は、証人なしの契約で引き起こったものです。)


最多トラブル:敷金が戻らない

家賃の滞納や引っ越す際に修繕が必要となった場合、保険のような役割として賃借人に支払う敷金。

これは、部屋をきちんと使っていれば転居時に返還されます。しかし、この返金を巡る問題が一番多い相談内容と言っても過言ではありません。

日本でも敷金に関するトラブルはよくある話なのですが、これがハンガリーで起こると大変。
言語も違うので、交渉するにも通訳者を介さなければならない事態になったり… 弁護士を雇うことになったり… 。取り戻すために、予想外の出費や労力を使ってしまうことになるのです。

【 相談者 A 】

下の写真を見てください。これは実際に天井が落ちてきた当時のものです。撮影者本人は、これから自分のような目に合う人が出てきませんようにと、提供してくれました。

天井落下の現場
剥がれ落ちた天井部分

相談者 A のアパートでは、天井が落ちてくるという事態に。当然ながらすぐに転居を希望しました。

不幸中の幸いで、本人が不在時に天井が落ちたため、相談者 A は無傷でした。しかし、もしも部屋にいたら…と考えると恐ろしいですね。

それにも関わらず、賃人は、まだ契約期間が終わっていないこと、天井の落下は暖房器具の使い方が悪いせいだと主張。そして敷金 ( 家賃 2 か月分 ) は修繕費にあてるため返さない、というのです。

さらには、悪徳業者を使い、暖房器具の使用方法の過ちにより天井に問題が発生した、という文書を作成したのです。天井のひび割れは、その他の部屋でも発見され、手抜き工事 ( 安くで仕上げたリフォーム )ということが発覚しました。

しかし、どうにもこうにも敷金を返したくない様子。和解し、返金ということにはなりませんでした。結局、弁護士にお願いすることに。最終的には、敷金は全額払い戻しされました。ですが、相談者 A は、約 2 ヶ月もの長い間、つらい思いをすることになってしまったのです。

【 相談者 B 】

窓の老朽化もあり生じた壁の傷み
湿気により発生したカビ ( 硝石が大量に発生した事例も )

前の住人が破損したものを修理せず、そのまま賃貸に出すことがよくあります。入居当時に、賃主や代理人が一緒に破損部分を確認すべきなのですが、それをしないことは多いです。

相談者 B が転居前、壁の一部にカビが。それは借人の使い方が悪いせいだと家主は言い張るのです。

実際、相談者 B は、こまめに掃除をしていました。

古い建物が多いハンガリーでは、雨の日などに壁が湿気を吸ってカビが生えたり、はがれたりすることがあります。また冬場は室内外の寒暖の差が激しいこともあり、結露が出て壁が弱くなってしまうことも。

普通の賃人であれば、自然発生したダメージの責任を借人に押し付けることはしないです。しかし、こういった理由で敷金の返還を拒みトラブルになることがありました。

その他にも同様に、所有物を破損させたと理由をつけ、返金を拒否したケースも。やはりお金に関わるトラブルは、和解で終わることはほとんどありません。専門家や弁護士に協力をお願いして、返金となる事例ばかりです。

敷金問題の相談者の中には、入居時の状態を写真に残していた方がいました。その物的証拠があったおかげで、敷金をすぐに返還させることに成功したこともありました。

入居前に、部屋の破損部分を必ず確認し、写真を撮っておくことがベスト。きちんとしたオーナーであれば、撮影を拒むことはないはずです。


相談者 C:ある日突然、退去命令

知り合いの知り合いが貸す安い部屋を見つけ、個人で契約を結んだ Cさん。客観的にみると知り合いの知り合いは、知らない人なのですが、知人の紹介となるとどこか安心してしまいがちです。

ブダペストの中心で立地 ◎、家賃も◎。掘り出し物を見つけたと思ったそうです。そんな新居での生活は順調そうに見えたある日、家主から突然電話が。

「これからこの家は別の人に売るので、早く出ていってください。」

こう告げられたのです。まだ契約期間中の出来事でした。もちろん、話し合いになりました。

最終的に「 この家は賃主の所有物で、家賃や契約期間は変更できると明記してある 」と強く言われ、泣き寝入り。その後、「 これはおかしいですよね 」と相談されましたが、時すでに遅しです。

契約書は結局、賃主に都合がいいものとなっていたのです。また解約においても、一人で泣く泣く同意してしまいました。通訳者や証人の同席なしに、個人で契約したことで発生したトラブルでした。

言語の壁もあり、確認が不十分だったと反省していた C さん。何とか次の部屋を見つけたものの、残念な結果となってしまいました。


相談者 D :  家電製品の故障は借主負担!?

水回りのチェックも重要!

ハンガリーでは家具付きの賃貸物件が多いです。期限付きの滞在で来られる方にとっては、便利な環境です。しかし、そこにも落とし穴が… 。

使い古された家電製品にも関わらず、それが故障したことを理由に修理費用の請求もしくは、購入を要求されることがあるのです。( 借主が良くない使い方をした場合は除きます。)

話し合いだけでは埒が明かない時は、専門家に原因を調べてもらうことが大事です。その費用は、基本的に借主負担になってしまいますが、仕方ありません。

でもその前に、浴室のボイラー、ヒーター、冷蔵庫、洗濯機、掃除機などは『 使用年数 』や『 動かなくなった時の対応 』を予め賃主と話しておくことがベターです。


最後にもう一つ大切なポイント

 
アパートの家主や管理人がどこに住んでいるか確かめてください。

建物内でトラブルが起こった時に、助っ人となってくれるはずの人が遠くに住んでいると、問題解決に時間がかかってしまいます。

離れたところに住んでいても、緊急時の対策をしているオーナーならば問題ありません。お部屋選びの際は、管理人がどこに住んでいるのか、連絡を取りやすい状態かを必ず確認してくださいね。

スタッフ一同、1 人でも多くの方が、当地でつらい目に遭わずに済みますよう願っております。


追記 ( 2018.07.09 ) : 契約解約時の注意点

不動産契約を解約する際は、必ず書面にて両者の同意を記す必要があります。

また 60 日前までには、部屋を出る旨を管理人に通知しなければなりません。突然の転居は、家主にとっても大きな損失になるからです。

もしも、解約 2 カ月前までに紙媒体の文書にて手続きを進めていない場合、退去後に敷金の返金を拒まれても取り戻すことが難しくなります。これは、ハンガリーの法律で定められている内容ですので、ご留意ください。

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取材・撮影コーディネート Media Coordinator

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日本ハンガリーメディアートは、ハンガリーを拠点に中欧・東欧ヨーロッパの取材・撮影コーディネート事業を展開。ロケーションのことはお任せあれ!豊富な経験でヨーロッパでの活動をサポートいたします。その他、通訳・翻訳、リサーチ業務等も承っておりますので、お気軽に取材、撮影、CM制作等ご相談ください。