世界中から集めた怖~い瞬間が映ってしまった映像をお届けするフジテレビ『映っちゃった映像グランプリ』。
前回の東欧スロヴァキア、チェイテ城に続き、今回は怪奇現象の噂が絶えないお城がある中欧スロベニアへやってきました。
人気俳優の草刈正雄氏の娘で、バラエティ番組等で活躍中の紅蘭 ( くらん ) が世界最大の洞窟城へ潜入!
絶景の地、スロベニアの洞窟城

高さ 123m もの切り立った断崖絶壁と一体化するようにひっそりと佇む城、Predjamski Grad ( 英語:Predjama Castle ) 。
日本語表記では、プレジャマ城や現地の発音にならってプレッドヤマ城とされています。
お城向かって左手奥、屋根に旗が立っているあたりは 12 世紀頃に建てられたそう。
防衛に重点を置いた造りで、16 世紀まで時代とともに増築されてきました。
寒く暗く、湿度が高く、住むには快適とは言えなかったようですが、安全性に優れていたため、戦乱の時代で重要な城だったのです。
現在でも中世の姿を残しているプレジャマ城は、訪れる価値のある観光スポットでもあります。
独特で美しい景観以外に、この城を世界的に有名にしたある人物がいます。
それは歴代の城主の中で最も有名だった Lueger ( ルエゲル / ルエーガー ) 家の騎士、 Erazem Predjamski ( エラゼム・プレッドヤムスキ ) 。
地元の人々から『 スロベニアのロビンフッド 』の愛称で親しまれている人物です。
現地では有名なのですが、日本人にとっては「エラゼムって誰?」という感じですよね。
そこでプレジャマ城近くの Postojna ( ポストイナ ) の中心広場で聞きこみ調査をしました。
街頭インタビューからわかったのは、エラゼムは “ 有能で勇敢かつ悪賢さも持ち合わせていた英雄 ” でしたが、 “ 仲間に裏切られ悲劇的な最期を遂げた” ということ。
そして “ 夜になるとお城では怪奇現象が起こる ” という情報。
これはもう、当番組で検証するしかありませんね!
ただやはり日本ではあまり馴染みのない人物なので、プレジャマ城とエラゼムに関する歴史的背景を皆様にご紹介しておきます。
スロベニアのロビンフッドとプレジャマ城の歴史

上肖像画は、スロベニア人画家が敵軍に対して挑発的な態度を見せていたというエラゼム伝説を基に描いた作品です。
勇敢で有能と称えられた騎士エラゼムは、当時権力を握っていたハプスブルク家から一目置かれる存在だったといいます。
そんな彼が悪賢いといわれる所以は、盗人だったことにあるようです。
高貴な騎士が盗みを働くとはどういうことなのでしょう。
プレジャマ城近くには、中世の時代に繁栄していたアドリア海の港町トリエステ ( 現イタリア都市 ) とオーストリアのウィーンとを結ぶ重要な道が通っていました。
城近郊の道は The Mast Road ( マストロード / マストとは帆のことです ) と呼ばれていました。
伝説によると、エラゼムがその路を行き交う旅人や商人を襲い、高価なものを盗んでいたんだとか。
金持ちから奪ったものは、自分の懐に蓄えるだけでなく、苦しんでいた貧しい民に分け与えていたとも言われています。
プレジャマ城の考古学的調査と修繕が行われていた 1990 年代には、お城の地下から中世のお宝が出てきたんですよ!
現在、その発掘物はポストイナの博物館 Notranjskem muzeju Postojna で所蔵されていますので、ご興味のある方はぜひ訪れてみてくださいね。

お宝発見についてはちょっと余談でしたが、エラゼムは当時から話題の人だったよう。
そして 1483 年、エラゼムは一大事件を起こしてしまったのです。
当時、この一帯を統治していた皇帝の近親であった Pappenheim ( パッペンハイム ) 軍司令官を口論の最中に殺害。
この事件に関して、一説では親友の仇討ちとも言われ、また当時の皇帝 FredericⅢ ( フリードリヒ3世 ) とハンガリー王マーチャーシュとの戦いの中でハンガリー側に寝返る口実だったとの説もあります。
そういうわけで追われる身となったエラゼムが逃げ込んだのが、プレジャマ城。
ハプスブルクの軍は城を包囲し、兵糧攻めを決行しますが、なんと失敗に終わります。
実は、このお城には表にいる軍には見えない洞窟内の自然トンネルがあり、外へ出て食料を調達することができたのです。
伝説では、エラゼムやその仲間たちが城から食べものを放り投げたり、洞窟内では手に入るはずのない新鮮なサクランボを敵に見せつけていたそう。
ちょっとユーモアを感じますね ( 笑 )
敵軍は包囲攻撃が無駄だと悟り、敵う相手ではないかも… と思い始めました。
しかしこの後、エラゼム自身が予期していなかった悲劇の大どんでん返しが待っていたのです。
彼が信頼していた仲間の一人は敵に買収されていました。
裏切った家来は、厚い壁で覆われた洞窟城唯一の弱点を漏らしたそうです。
そこは … 城内で隔離された場所であり、小屋のような薄い壁のお手洗い。

エラゼムが一人、用を足しに向かった時、裏切者はお手洗い脇に火の灯ったロウソクを置いて合図を出しました。
そのサインで投石台から大きな石が放たれ、その重みで壁は崩れ、瓦礫の下敷きとなり亡くなったそうです。
上写真が、エラゼムの人生最後を迎えたトイレです。( 当時の様子を復元した場所です )
悲劇的な死をむかえたエラゼムがいたプレジャマ城。
誰が裏切り者だったのか、真実は未だ謎に包まれたままのこの城では、不思議な現象が起こると噂されています。
信頼していた部下に裏切られた悲しきエラゼムの怨念なのでしょうか。
足音!?白い影!?心霊現象が多数目撃される城
前回のスロヴァキアロケに参加していただいた、ヨーロッパ屈指の霊能力者イセト氏がスロベニアの現場へやってきました。
撮影前から、お城から強いエネルギーを感じると訴えるイセト氏。
案内人ヴォイコさんと紅蘭さんとともに、噂の検証へ向かいました。
ロケ中に緊急事態発生!
そして隠された真実が明らかに!?
霊が伝えたい真実とは一体なんのか!?
まさかの展開にスタッフ全員が騒然となりました。鳥肌
ロケ全貌は、ぜひ番組でご覧ください☆
※夜間は特別な許可がなければ入城できません。
【 番外編 1 】ロケスタッフのおすすめ ♡ ポストイナ観光情報

上写真のポストイナ鍾乳洞は、ヨーロッパ最大の大きさを誇り、今ではスロベニア有数の観光地。
日本語オーディオガイド付きのツアーで中を見学することができます。( 通常は 90 分コース )
鍾乳洞内をトロッコにのって疾走するのですが、これがなかなかの迫力!冒険感満載です!
途中で下車し、歩いて回るコースではガイドに解説してもらいながら、ゆっくり洞窟内を観察できます。
様々な形、色の鍾乳石が創り出す景色は、まさに自然が生み出す神秘そのもの。
プレジャマ城と合わせて訪れてほしいスポットです。
【 番外編 2 】お手頃で絶品のスロベニアワイン
心霊ロケというのは深夜まで続く大変な撮影。
そんな時、最高の癒しは美味しい食べ物と飲物 ( お酒 ) なんですよね。笑
今回のロケスタッフいちおしは喉越し爽やかなスロベニアワイン。
上写真の一本は、スーパーで 5 ユーロほどなのに美味い!
晩酌用とお土産用に買い込むスタッフたち。笑
スロベニアは中欧のワイン産地なんですよ。
各都市でワインツアーやワインセラー巡りが行われていますので、スロベニア旅行の際は要チェックです!
毎月のようにワイン関連イベントやお祭りも開催されていますので、ご関心のある方は検索してみてくださいね ♪